想い×絆
行きの電車では、莉世と上手く合流する為にいつも決まって一番前の車両に乗る。

…眠いなぁ…。



30分ぐらいしてやっと地下鉄に入った。いつの間にか車内は満員だ。


…そろそろ莉世が乗ってくるかな

『室川、室川、お出口は右側です…』


ドアが開いた途端一斉に人が出入りした。


「…スミマセ〜ン、…おっとと、…あ、愛輝!おはよ」

人込みの中から莉世が顔を出した。

「おはよっ莉世」

一刻も早くこの満員電車から脱出したい…。と誰もがそう思っているだろう。

『浜津町、浜津町、…』

「着いたー、降りようっ」

ドアが開いたが、無事降りられるだろうか…

「すみませ〜ん、降りま〜す」

うぉぉぉ…


人込みに押されながらも、降りるのには一苦労だった。


< 27 / 84 >

この作品をシェア

pagetop