想い×絆
「ただいま〜」


部屋に鞄を置き、リビングに行くと母が夕飯の支度をしていた。


「あら、今日は早いね」

「まぁね、あーお腹空いた…何かお菓子ある?」


「戸棚の中にクッキーがあるでしょ?」


「うん、あった」



…クッキーを食べていると、母がじっとこちらを見ている。


「…何?」


「あんた、また例の夢月君とかいう子と何かあったんでしょ」


「は?…別に何でもないし…なんで夢月君が出て来るんよ」


「あんたの顔見てたらすぐ分かるよ、すぐ表情に出るんだから」

にやにや笑みを浮かべながら言った。



「…今日も何の進展も無かった」

ぶっきらぼうに私は言った。


「そうなの〜…もういっその事早く告白なりなんなりすればいいのに」


「そう簡単に出来るわけないじゃん!…だから…そう、何だろう…すぐフラれないように慎重に行く…みたいな?頭の中でシュミレーションしてるんだけどなかなか思うように行かないんだよ、それが〜」


残りのクッキーを食べて私は溜め息をした。

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