想い×絆
「だって実際に起こっちゃったらショックだったもん、マジセーフ!」

私はホッと一安心した。

「何回も言ってるけど、もう早いとこはっきりさせようよ〜モタモタしてると誰かに取られちゃうかもしれないんだよ!?」

誰かに取られる…ようするに他にもライバルが存在する可能性があるという事。

そう考えると、今にも不安と焦りが入り交じる気持ちになる。

「夢月君って…意外にモテるのかな?」

気になって確かめられずにはいられなかった。


「さぁ〜ね〜隠れファンとかいるんじゃない?サッカー部に入ってて上手いって噂だし。まぁ私は興味ありませんが」


「ちょっと〜何よその言い方〜同じ小学校だったまぁちゃんにしか頼れないんだから、どうかアドバイスをお願いします〜」


私達の地元は町外れの田舎で、二校の小学校が一カ所の中学校に合同で入学する事になっている。

そこで出会ったのが“夢月(むつき)”君。あの小学生の時のような一目惚れで始まった恋ではないのだ。


入学当初、お互いの席が運命的に隣同士だったが、初対面という事もあるのでまだ意識とかそういうのはなかった。


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