想い×絆
「夢月、お前優しーなぁ」

彼の周りにいた友達がからかっていた。

…名前、むつき君って言うんだ…。

青りんご味のガムを口に含むとちょっと甘酸っぱかったが、なんだか優しい風味が口の中に広がった。


「あ、私にもガムちょうだい!」

窓際の席に屯(たむろ)っていた子達がこちらへ来た。

「え〜、どうしよっかなぁ〜」

「お願い☆ポテチやるからさ!」

「マジ?うまそ♪」

「くれたら、あげるよっ」

「はいはい」

ポテトチップスの袋を持ったおだんご結びの子は、くりりとした丸い目で私を見た。


「ポテチどう?」

「え?いや、いいよ。ありがと…」

「遠慮しないのっ☆ほらっ」

「ふがっ」
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