想い×絆
ホームルームはすぐに終わるので、その後を考えると緊張感が走る。

「…という事で、予定事項は以上です」

「起立、例…」

「さようならー」

とうとう放課後が来てしまった。

…うわ〜!どうしよう、どうしようどうしよう…!!

混乱して冷静になれない状態の中、3人が駆け付けて来た。

{もうジャージに着替えてるよ、急がなきゃ愛輝…!}

相手に聞こえないように小声で話すまぁちゃん。急かされる程余計に焦ってしまう。

{…ちょ、ちょっと待ってよー!…まだ告白の台詞とか決めてなかった…!}

{そんなドラマチックに伝えなくてもいいって!時間がないよ!}

{…もうシンプルに、ずっと前から夢月君の事が好きでした、で良くない?}

焦る私達の横で、夢月君は既にジャージ姿で荷物の支度をしている。

{ほら行っちゃう!!…}

…こうなりゃ駄目元…!!

「もう好きって伝えてー!!!」

私は乱暴に鞄を掴み、教室を飛び出した。

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