想い×絆
興奮と共に動悸が激しくなる中無我夢中で走り続けていると、あっという間に家の近くまで来ていた。


「ただいまぁ…きつーい」

ゼーゼーと息を切らす私の姿を見て、母は気掛かりに見つめた。

「どうしたの、そんなに急いで帰って来て…何かあったの?」

「ちょっとね…あー苦しい」

…我ながら情けない行動だと思い、しぶしぶと階段を登った。


「夢月君…」

ベッドの枕に顔を埋めて頭の中を整理していた。


『プルルル…プルルルル』

下の部屋から着信音が鳴り響く。

「愛輝ー、まぁちゃんからよー」


ドキンッ!と胸の鼓動が跳ね上がるように打った。

…返事が分かったんだ…。

電話の向こう側にある答を恐れながら1階へ向かう。

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