想い×絆
「やけくそにならないでよ…」

「分かってる。じゃまた明日ね!」

「本当あまり気を落とさないようにね愛輝…じゃあね」


ふぅ、と溜息をついてゆっくりと受話器を置いた。

…普通ここでワッと泣く場面なのに、不思議と涙が出ない。

無理矢理感情に片寄らせようとしても泣けなかった。

…これでは泣いてスッキリと気持ちを発散出来ないじゃないか。


「やっぱ現場にいた方が良かったのかな」

…実はまだ希望があったりして。

モヤモヤしながら、私は部屋へと戻った。



翌日もいつも通りの朝を迎えた。


教室に入ると、いつも先にまぁちゃんとちゃんが来ている。

なるべく夢月君に気持ちを悟られないように、明るく振る舞うよう心掛けるつもりにした。

「おっはーっ!!2人とも…」

勢いを付けて席まで走ると、近くの男子にぶつかってしまった。

「わぁ?!」

「きゃっ!ご、ごめんね〜!!」

2人とも呆れた顔をしていた。

「今日8時からギャグ番組があるよね〜タイトル忘れたけど、あのゲームのコーナーが1番好きだな」

「愛輝ちゃん…」

ひなちゃんが寂しそうな顔で見つめる。


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