想い×絆
「なんか無理してる愛輝を見てると痛々しいよ〜」

何故かしくしくと泣き始めるちいちゃん。

「ちょ、ちょっとー泣かないでよ〜もう私は大丈夫だから3人とも心配しないで」

「本当に大丈夫なの?」

「うんっ、心機一転してまた新しい恋を見つける☆」

こんなに立ち直るのが早いのは、まだ夢月君と出会って1年も経ってないからそれなりに深入りしていないのかもしれない。


純粋で初々しい日々を送った中学1年生。

進級する毎にクラスが離れ場慣れになる事があっても、休み時間には皆毎日のように集まった。

…あれから夢月君とは気まずい状態が続いたが、時が経つに連れてお互い自然と打ち解けていた。


「花枝、ボール取ってくれよ」

「はーい」

力いっぱいサッカーボールを蹴ったが、変な方向へ飛んでしまった。

「おーい下手くそだな〜」

「うるさーい、たまたま失敗したの」


些細な嬉しさを感じた、体育の授業。


< 71 / 84 >

この作品をシェア

pagetop