二人の恋愛事情
紫苑さんってあんな表情もするんだ…
やっぱり私じゃダメって事を
再び思い知らされた
『うん…わかったわ
皆様、忙しい時間にすみませんでした
それでは失礼します』
そう言うと私をひと睨みして
勝ち誇ったように口元を歪ます
通りすがる瞬間
『私の勝ちね
はやく紫苑から手を引いてね』
「………」
何も言い返せない自分に
あきれて涙がでてきそうだけど
お化粧してるし、なにより
紫苑さんの前では絶対、何があっても
涙を見せないってきめたから
唇を強く噛んで顔を下げる