手の口
夜、くじ引きで男女のペアを作って、そのペアでキモだめしすることになった。

あたしの相手は大悟君だったの。今思えば運命だったのかな。

このときあたしは崖から落ちて川の流れが急な所に落ちてしまったの。

本当にあの時は死ぬかと思った。

でもあたしは今生きている。

もうわかったと思うけど、あたしを助けてくれたのは大悟君だったの。

流れが急なのに「あたしのため」に飛び込んで、「必死」に「あたし」を

泳いで救ってくれた。

その時、水を飲んで深い眠りに入っていたあたしが目覚めたとき目の前に大悟君が
いてくれたの。

あたしはその時大悟君の日焼けしたきれいな形の耳を見ながら恋に落ちていたの。

あたしが落ちたのは川ではなく、大悟君という深い恋の湖なの。

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