君といっしょ。


「なんか龍、変だよ…。」

『俺が変?』


「私の知ってる龍じゃな…きゃっ」


手首を痛いと言うほどに掴まれた。


『美愛に俺の何が分かるの?俺の何を知ってるの?ねぇ?ねぇ?』


龍の表情は冷たく、怖くなった私は何も言えなかった。


優しかった龍。


私の知ってる龍なんかじゃなかった。私は、ケラケラ笑い出した。すべてが馬鹿馬鹿しく思えて、自分がなんでこんなに一生懸命だったのか、分からなくなってきた。ケラケラ笑っているうちに、何故か涙も溢れてきた。



私、どうしちゃったんだろ。本当に頭壊れたのかな。そう言えば、龍、言ってたな…。二重人格って。それってこういうことだったんだね。





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