君といっしょ。
『大丈夫?』
そう言って、汚い私にハンカチを差し出す。
「…あ、ありがとう…」
目がクリクリしてて、背が低くて、サラサラの髪。まるでお人形さんみたいな女の子が、私の顔を覗き込んでいる。
私なんかとは正反対…
私はなんの取り柄もなくて、優しさなんてこれっぽっちもないうえに、素直じゃない。性格は暗くて、ツンツンしてる。そんなんだから入学してすぐに、クラスでいじめられるようになった。
今ちょうど、暴力から耐えきったところで、私の格好はぼろぼろ。唇が少し切れたみたいで流血していた。
そんな私に関わりたい人なんかいるはずもなく、みんなクスクス笑いながら、横を通りすぎる。
なのに、この子は違った。こんな汚い私に声をかけてくれた。
それがとても嬉しいのに、素直になれない自分。
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