君といっしょ。


キーンコーンカーン…


気がつけば、夕日が私たちを照らしてた。


『あ…もう学校終わっちゃったね♪』


そう言って、李都は笑った。


「ごめんね。辛い話させちゃったし、もうこんな時間だし…」


『大丈夫だよ。心配しないで♪美愛といる時間は、大事な時間だから。それに、全部話したら、だいぶ楽になったし。』


分かってる。李都が今苦しんでいること。誰だって、辛いことを思い出すのは、苦しいから。


「李都…、私ね、どんな過去があったとしても、李都のこと嫌いになんてならないよ。李都は李都だもん。それに私、李都のこと尊敬してるから。李都は自分の力で変わったでしょ?私、過去を引きずってばっかりで、変わることなんてできなかった。だから、李都はすごいよ。


ずっと友達でいてくれる?」


そう言うと、李都はコクンとうなずいて涙を流した。
その涙はとても綺麗で…

夕日に赤く照らされて、よけい綺麗だった。





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