君といっしょ。
李都と別れ、すっかり暗くなった夜道を一人で歩く。
龍がいなくなってからは、毎日そんなかんじだった。
あの時は、こんな風に真っ暗な夜道だったとしても、怖くなかった。
龍が隣で手を繋いで歩いてくれたから。歩くのが遅い私に合わせて、ゆっくり歩いてくれた。自分の帰宅時間が遅くなってしまうのに…。
龍が隣にいなくなった今、私には安心感なんてものはなくて、ただただ恐怖心が襲ってくる。
怖いときって、なぜか周りの音が耳に入ってくる。小さな音でも、恐怖を覚える。
コツコツコツ…
かすかに聞こえる足音。
後ろから聞こえる…誰かついてきてる!!?
振り返って、その存在を確認したいけれど、怖くて見ることなんてできない私は、どんどん歩くスピードを加速する。歩くのが遅い私が、スピードを加速したところで、男の人が普通に歩くスピードと、ほとんど変わらない。
コツコツコツ…
音がどんどん近づいてきた。街灯に照らされ、影が写し出される。
男だ…
私の足元まで伸びてきた影を見て、すぐに男の影だとわかった。
コツコツコツ…
革靴の音がさらに近づく。私の気のせい?男の歩くスピードも加速してる気が…
そう思った時、
グイっ
私は肩を思いっきり捕まれた。