超人気トップモデルができるまで【完】
「今日はどうした?」
結局、今日の撮影は中断になった。
あたしのせいで。
マネージャーもあたしを心配してくれたらしく、事務所に呼ばれた。
「ネット…」
「ネット?…もしかして掲示板見たのか…?」
え…?
マネージャー、知ってたの…?
マネージャーの言葉に驚きながらも、コクリと頷いた。
「そうか…」
「ショックで…」
みんながみんな、あたしのファンでいてくれるわけじゃない。
みんながみんな、あたしを応援してくれてるわけじゃない。
そんなこと分かってた。
けど…
「悪口書き込まれるのは、ほとんどの芸能人が通る道だ」
分かってる…そんなこと。
モデルになる前も、色んな人が芸能人の悪口を言ってるのを聞いたことあるから。
「とりあえず、今日は帰れ。休み取ったから」
「え…?」
「ちょっと頭冷やせ。お前最近おかしいぞ?」
おかしい…?
「自分が言った言葉、覚えてるか?この前、お前は仕事を"こなす"って言ってた」
あ…
『"仕事をこなす"』
「とりあえず今日は帰って休め」