超人気トップモデルができるまで【完】


―ミス・ガールズコレクション。


日本女子に絶大な人気がある、大規模なファッションショー。


まさかあたしにオファーが来るなんて。
夢にも思わなかった。

これに出れば、トップモデルになったも同然。
それくらいの大きい仕事だった。



「…らしいわよ」
「えー!」


事務所の廊下を歩いていると、話し声が聞こえてきた。

とっさに隠れるあたし。


…なんであたし隠れてるんだろ…


「まさかうちの事務所の水嶋くんがあの山岡泉と付き合ってたなんて…」


マネージャーと泉さんの話…
あたし、盗み聞きしすぎだよね…どうしよう…
知ってるとはいえ、これ以上聞いちゃ悪い…


「なんで別れたのかしら」
この言葉を聞いて、あたしの体は固まった。
聞いちゃいけないと思いつつも、体が動かなかった。

「なんか、山岡泉の仕事のせいらしいわよ」
「人気が出てきて、忙しくなって…時間も取れないし…だから別れたのかしら」
「それもあるらしいよ!山岡泉が有名になるほど、週刊誌とかに追いかけられるしね」
「ふたりの時間が取れなかったのね〜…」




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