超人気トップモデルができるまで【完】


「俺が泉と別れたのは、泉の仕事が軌道に乗ったからなんだ…」


マネージャーは、まっすぐ前を見ながら、ゆっくり話し始めた。


「泉が有名になればなるほど、ふたりでいる時間がなくなっていって…やっと会えてもパパラッチに追われるし…泉の事務所からも別れろって言われて、仕方なく別れた…」


―ズキン。

そう話すマネージャーは、すごく悲しそうな顔をしていて…
何て言ったらいいのか分からなかった。


「だから、モデルっていう仕事が大っ嫌いだったけど…初めてお前を見てから、無性にこいつは立派なモデルになる!って思ったんだ」


そうだったんだ…


「でも、俺の自分勝手な判断でモデルにしちゃって、美鈴に嫌な思いさせてるんじゃないかと思って…」


…それで"不安"って言ったんだ…


「あたし…モデルになって後悔してない。マネージャーにすごく感謝してる!」

あたしがそう言うと、マネージャーは、今まで見たことないくらいの満面の笑みでこっちを見た。


う…わ…
かっこいい…




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