超人気トップモデルができるまで【完】
「美鈴…ちゃん?」
「はいっ!?」
「はじめまして。山岡泉です」
いっ…泉さん!?
「知ってます!大ファンです!」
「ありがとう」
かわいい…
同じ人間とは思えない…
4年間この雑誌の専属モデルをやっていて、看板モデルでもある、山岡泉さんはあたしの憧れだった。
ずっと。
かわいくて、キレイで、スタイルも良くて、雑誌の中にいる泉さんは、すごく輝いてた。
あたしの、目標だった。
こんな人に、悩みなんてないって思ってた。
顔も、スタイルも、人気も。女の子が幸せになれる条件をすべて持ってるような人。
「緊張…してるの?」
「はい…こんなにキレイな人たちとお仕事するのが、正直プレッシャーで…周りに飲み込まれないか…」
「心配?」
「はい…」
「そうね。誰だって、最初は不安だらけだわ。けど、それだけの不安も吹き飛ばせる、自信を持てばいいのよ」
「自信なんて…」
「ないって思うから不安になるの。出来ないって思う方が簡単だわ。でも、それを乗り越えなければ、プロにわなれないと思うの」
「そうですよね…」
「オーディションの時ね、最終審査のカメラテスト、満場一致であなたに決まったらしいわよ」
「え…?」
「あなたは十分認められてるわ。自信を持って大丈夫なんじゃない?」
泉さん…
「美鈴ちゃーん、入ってー」
「呼ばれてるわね。がんばってね」
「はい!ありがとうございます!」
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