続・幸せの契約
思いっきり身体を動かして
いっぱい笑って


いっぱい飲んで


屋敷に帰った頃には足元がふらついていた



「お帰りなさいませ、鈴様。大丈夫ですか?」



由香ちゃんが私のふらつく身体を支えてくれる


「大丈夫。大丈夫。
ちゃんと歩けるから。」


言葉ではそう言っても
体はフワフワ浮いてるみたいに力が入らない


「鈴さん!?」


階段の上から聞こえるはずのない声が聞こえた


見上げた先に


「大和さん…!?」



スーツではなく部屋着の大和さんが立っていた


「…韓国じゃなかったんですか?」


一気に酔いが覚めて
どろどろした感情が溢れ出す


「ええ、早めに切り上げて帰ってきました。」


ゆっくり階段を降りてくる


私は由香ちゃんの手をどけて階段を上がった


「1人で私の知らないところに行かないでくださいと、前にお約束したのをお忘れですか?」

前に…犬居さんの頃にした約束

正面からキリッとした瞳で見つめられる


いつもなら
ドキドキが止まらないはずなのに


今日は反対の感情
イライラがにじみ出た


「それは…犬居さんとの約束です。

それに、始めに約束を破ったのは大和さんじゃないですか!

朝食は二人揃ってって一番に約束したのに…。」



今まで堪えていた
寂しさが溢れ出す


瞼にたまる涙を必死で堪えた


そして
そのまま自室に入った
< 21 / 223 >

この作品をシェア

pagetop