続・幸せの契約
サラッと私の髪を鋤く大和さんの手

「キスだけじゃ…終われないかもしれないですよ?」


その言葉に一瞬、身体が固まった


暗い記憶が
おぞましい闇が温かな心をジワジワと侵食していく


そして
カタカタと手が震え出す



ギュ…と震える手を大和さんが握った


「その記憶を私が消してさしあげます。」


「え…?」



大和さんが私の手に口付ける


「あなたは汚れてなんかいません。
とても…綺麗だ。」


そして
降ってくる優しくて甘いキス



不思議…
心の闇が…消えていく…ー


私は大和さんの首に抱き付いた


「大和さん…。」


「鈴…愛してるよ。」
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