年上カノジョに蜜な罠
「凜久…あのね」
僕の部屋のドアを少し空けて、顔だけをちょこんと出す瑠璃。
大体予想は付く。
「「夏休みの」」
見事に重なる。
「宿題でしょ?」
「…はい、そうです」
四角く角張った見るからに重そうなバックをドスンと置く。
「所々分からないとこがあって…」
どこまでおバカなのこの子は。
どこまで天然なの。
「瑠璃は高校、僕は中学。分かるわけ…」
「り…凜久は頭いいから…」
いくら頭いいからって言われても…
…でも僕、瑠璃の困ってる顔って割と好き…かも。