年上カノジョに蜜な罠


「凜久…あのね」


僕の部屋のドアを少し空けて、顔だけをちょこんと出す瑠璃。



大体予想は付く。




「「夏休みの」」


見事に重なる。



「宿題でしょ?」


「…はい、そうです」


四角く角張った見るからに重そうなバックをドスンと置く。



「所々分からないとこがあって…」


どこまでおバカなのこの子は。

どこまで天然なの。





「瑠璃は高校、僕は中学。分かるわけ…」


「り…凜久は頭いいから…」



いくら頭いいからって言われても…


…でも僕、瑠璃の困ってる顔って割と好き…かも。


< 10 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop