年上カノジョに蜜な罠


校門に入った途端、赤いかさに群がる黒や青いかさ。


きっと瑠璃を知っている後輩たちだろう。




「行くぞッ」


ヨウと共に靴箱まで走り出す。





たくさんの男子に囲まれていて、その中で苦笑いを浮かべている瑠璃。





「瑠璃ッ」


名前を呼ぶと、パアッと笑顔を見せてこっちへ走ってくる。


周りにいた男子たちもハラハラと散っていった。




「どうしたのッ?」


赤いかさを閉じて、こちらへ振り返る。



「へへッ、迎えに来ちゃった」

急に雨、降ってきちゃったでしょ?


そう言うと、カバンの中から折り畳みがさを取り出して、ヨウに渡す。



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