年上カノジョに蜜な罠
「このタオル、今日は使わなかったから」
「まだそのタオル使ってくれてたんだね、ふふっ…嬉しい」
目を細めて笑う瑠璃。
「風邪引いちゃいけないからね」
水滴で濡れた髪をちゃんと拭いてあげた。
「あ、かさ…壊れちゃったね…」
かさを見つめてシュンと肩を落とす。
中学の時からずっと使っていた赤いかさ。
雨の日は何度お世話になった事か…。
「僕が新しいの買ってあげるよ。いつもこのかさにはお世話になってたから」
開いていたかさをすぼめて瑠璃に渡した。