年上カノジョに蜜な罠
瑠璃も出来そうな問題は自力で解き始めていた。
「えらいじゃんっ」
「へへっ、まぁねっ」
問題集から視線を僕へと移し、若干上目遣いで僕を見上げる。
…困った顔も好きだけど、笑った顔のがもっと好き。
…しばらくして。
集中して問題を解いてると小さな寝息が聞こえる。
前を見みると、机にうつ伏せになって寝ている瑠璃。
その下敷きになっている問題集にはしっかり解いた跡があった。
瑠璃の顔の下からズリズリと問題集を引きずり出して、答え合わせをしてみる。
7問中、5問正解。
瑠璃からしたら、頑張ったかな。
頭に付いている少し曲がったリボンをちゃんと付けてあげようと、瑠璃に近づく。
シャンプーなのか、甘い香りが運ばれてくる。
ふと、瑠璃の顔の前に転がっている消しゴムに目がいった。
「…――あれ?」