年上カノジョに蜜な罠


瑠璃も出来そうな問題は自力で解き始めていた。





「えらいじゃんっ」


「へへっ、まぁねっ」


問題集から視線を僕へと移し、若干上目遣いで僕を見上げる。





…困った顔も好きだけど、笑った顔のがもっと好き。







…しばらくして。



集中して問題を解いてると小さな寝息が聞こえる。


前を見みると、机にうつ伏せになって寝ている瑠璃。


その下敷きになっている問題集にはしっかり解いた跡があった。





瑠璃の顔の下からズリズリと問題集を引きずり出して、答え合わせをしてみる。


7問中、5問正解。


瑠璃からしたら、頑張ったかな。



頭に付いている少し曲がったリボンをちゃんと付けてあげようと、瑠璃に近づく。


シャンプーなのか、甘い香りが運ばれてくる。



ふと、瑠璃の顔の前に転がっている消しゴムに目がいった。





「…――あれ?」



< 12 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop