年上カノジョに蜜な罠
昨日の雨は夕立みたいなものだった。
瑠璃の家から走って帰ったけど、ほとんど濡れなかったから。
――瑠璃は風邪、引かなかったかな?
部屋の窓から七色の輪をかける虹をただぼおっと見つめていた。
瑠璃もこの虹を見てるかな…なんて思いながら。
同じものを見ている瞬間ってその人と繋がってる気分になるんだ。
……例え、離れていたとしても。
――明日はきっと晴れるだろう。
「ほら、これ。瑠璃にお礼言っといて」
差し出されたのは折り畳みがさ。
丁寧にきちんと折り畳められている。