年上カノジョに蜜な罠


「あら、いらっしゃい」


出てきたのは瑠璃のお母さん。


その表情は、なぜか複雑そうだった。



視線を足元に下げると、瑠璃の靴の他に女の子のローファー。


前に瑠璃が話していた、"あおい"だっけ…?


その子かな…?



その予想はあっけなく外れる。




「とりあえず上がって?」

おばさんの声に僕はきちんと靴を揃えて、家へ上がらさせてもらった。





「実はね、瑠奈ちゃんが来てるのよ…」


家に遊びに来るなんて何年ぶりかしら。


表情を雲らしながら話す。

おばさんも知っているのかな。





「瑠璃は部屋にいると思うわ。後でジュースか何か持って行くわね」


お構いなく、そう一言告げるとキッチンに姿を消してしまった。




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