年上カノジョに蜜な罠


「今日が最初で最後の約束…「何言ってるんですか?センパイ」


今まで何度彼女に遮られてきたことか。



じゃあ、私帰りますね。



「もう一緒にごはん食べるつもりないんだけど」



反論する暇もなく彼女は部屋を出て行ってしまった。




…背中に感じる、瑠璃の弱々しい視線。


やわやわと背中に優しく突き刺さる。



ゆっくり振り返ると、瑠璃は俯いて膝の上で両手をギュッと握りしめていた。




そばに駆け寄ると、



「凜久……」


今にも泣きそうな声で僕の名前を呼んだんだ。




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