年上カノジョに蜜な罠


でもこれって小学校の頃に聞いたことがある。


消しゴムに好きな人の名前を書いて、それを誰にも見つからずに使い切ると――…



「その人と両想いになれるって…」



ってまだ僕の名前って決まった訳じゃないし。



そんなおまじないを信じてるなんて、どこまで可愛い性格をしてるんだろう。


だってもう高校生だよ?



やっぱ中身は可愛いあの頃まま。


外見は大人っぽくて出会った頃よりは大分成長してるけど、中身は変わってないなぁ。


これからもずっと変わらないでいて欲しい。







 ――どうか、ずっと。









消しゴムに書かれた名前は気になるけど、それ以上詮索することはなかった。


だってこれからじっくり落としてく予定だし?


モチロン、僕も男の子だって事もだけどね。






でも、心のどこかでその名前は僕であってほしいと願っている自分がいた。




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