年上カノジョに蜜な罠
「そっか……」
変な胸騒ぎがして、体がかぁっと熱くなる。
心臓の鼓動が急に速度を上げ、ドクドク私の中を叩き始めた。
「だから…ね?」
口元は笑ってるけど、目が笑ってない。
驚く程、冷たい眼差し。
蛇に睨まれた蛙のように、背中が凍りついてしまったような感覚。
背筋を冷や汗がつつ…と、落ちていくのが分かった。
「……2度も奪うなんて許さないから」
冷たい水を頭から浴びせられたような気分だった。
頭からつま先にかけて少しずつ凍っていくような…
少しずつ痺れいってそのまま固まってしまうんじゃないかと、そう思った時。
分かってしまったんだ――
"彼女"が"誰"を好きか。
"奪う"
その単語に体が押しつぶされそうになった。
私は奪ってなんか――
ないんだよ。
じゃあ私はあの日、
遊くんに告白をされた日。
もし付き合っていたら、瑠奈は満足したの―――…?