年上カノジョに蜜な罠
「…わ、私の事…嫌いにならない?」
全部、言ってしまったら嫌われちゃうかもしれない。
そんな不安な気持ちが私の言葉を詰まらせる。
「嫌いになんて、ならないよ」
髪を撫でていた手が滑り落ちる。
―――そして。
私の左手の小指を私と同じように握って微笑んだ。
「えっとね……瑠奈とお昼――」
言いかけた私の言葉を、凜久が遮る。
「もう、食べないから」
今日初めて誘われて、一緒に食べたんだ。
僕とヨウの間に座っていいのは瑠璃だけ、だよ?
小指だけだったのが、今度は薬指も凜久の手に包まれた。
握られた指が…
――すごく熱い。