年上カノジョに蜜な罠
「こっちのドアが手薄だったよ~次やる時はもっと固めないとつまらないから」
手をヒラヒラ振りながら、ヨウと共に階段を駆け下りる。
っとに、何やってんだよ…あの女もクラスの男子も。
情けねぇ…。
「あんまりため息つくと老けるよ」
ヨウは元々、大人っぽくてこの学校から浮いちゃってるんだから。
…とは言えなかったけど。
「毎日こんなんじゃ、先が思いやられるな」
いいよ、また来たらヨウだけ逃げて。
次からは僕がなんとかするから。…そう返すと
「アホか。俺にだって責任ってもんがある」
ヨウは警察官なんて向いてるんじゃないかとか、本当に中学生なんだろうか。
…年をごまかしてこの学校にスパイとして侵入しているんじゃないか、とか。
お弁当のたこさんウインナーを箸で摘みながら変な事を考えた。…でもやっぱヨウは頼りになるな。
「ありがとう」
照れ臭いけど、ぼそっとお礼を言った。