年上カノジョに蜜な罠


どうしようかと迷っていると、「それ、冷たい水や牛乳にも良く溶けるって書いてあるわよ」と、後ろからお母さんの声。





あれから少し経つけどあの帰り道以来、瑠奈ちゃんはこれといって何もしてこなかった。



お昼に教室を出るときもクラスの男子に止められる事もなく、至って平和な日々を送っている。







でも、なぁんか嫌な予感がするんだよね。…特に今日はこうやってカフェオレに水を入れちゃうあたり。



…こんな事いつもは絶対間違えない。



仕方なく、冷たいカフェオレを喉に流しながらその予感が的中しないようにと、願う。





家を出る少し、前。





「あら?女の子が待ってるわよ?」


キッチンに立っているお母さんが僕へと振り返る。


家は、キッチンにある正面の窓から玄関側。…つまり庭や来客が見えるんだ。



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