年上カノジョに蜜な罠
* * * * * *
どれくらい経っただろう。
浅い眠りの中、お母さんの声が聞こえた気がした。
「凜久ー、瑠璃ちゃーん?おかわりいるかしら?…あら、いらないみたいね」
パタンとドアが静かに閉まる。
……………?
「ふふ、青春ねぇ…」
ドアの向こう側で微かに聞こえたお母さんの声。
青春ってなんだ…?
さっきから妙に唇に温かさを感じる。
ふと疑問に思いながらも、また眠りに落ちていく。
次に目を覚ました時には隣にもう瑠璃はいなくて、
変わりに
ひとつだけからっぽになったグラスが残されているだけだった。