年上カノジョに蜜な罠
部屋に入れるのは正直、躊躇ったけど彼女が真剣な顔で「話が…あるんですけど…部屋、上がらさせてもらってもいいですか?」
そう言われてしまって、なんだか断れなかった。
テーブルを挟んで、正面に彼女。
「ずいぶん冷たいんですね、センパイ」
それは瑠奈ちゃんがあんな事言うからだよ、と返すとクスリと笑ってお母さんが持ってきた紅茶に口を付ける。
この紅茶には、ハチミツは入っていない。
お母さんは必ず瑠璃が来てもヨウが来ても、紅茶にはハチミツを入れるのに。
アイスでもホットでも。
少し疑問に思いながら、瑠奈ちゃんにつられて僕も紅茶に2度目の口を付けた。
砂糖の単調な味が口の中に広がっていく。
ハチミツのせいで、舌って肥えるんだろうか?
あんまりおいしく感じなかった。