年上カノジョに蜜な罠
きゃあああああっ!
残すのはおばさんに悪いと、もうぬるくなったアイスティーを一気に喉に流し込む。
机に散らばった宿題なんか忘れて、一目散に部屋から飛び出した。
「きゃああああーっ」
自分の部屋まで、まるで風のごとく
走って
走って―――――
ど どどっ
どうしようっ…
私…―――凜久と
「キスしちゃった…」
そう呟いた瑠璃の顔は、ケーキの上にちょこんとのせられた苺のように真っ赤っか。
唇の上に指を滑らせ、まだわずかに残っている凜久の唇の温もりを思い出していた。
「凜久の唇は甘かった…」
って何言ってるの私っ。
で、でもホントに甘かったんだもん。
なんだろう…ハチミツみたいな?
…あっ、もしかして…。
―凜久の作戦 第1回目は
…ある意味大成功に終わった。
「ん、……んん…瑠璃…」
――当の本人はなんにも気付かず、まだ夢の中。