年上カノジョに蜜な罠
「ちょっと遠くに行ってみたいと思うんだけど」
「うん!いいねっ」
目をキラキラ輝かせてパアッと笑顔になり僕を見る。
その絡まった視線を縮めようと、僕もベッドから下りてテーブルの向かい側に座った。
…瑠璃と視線を合わせたまま。
「電車に乗って、まったく知らない駅で降りるってどう?」
「おもしろそう!なんか冒険みたいで」
今日は髪にリボンは付いてなくて、変わりにシュシュで結ばれたフワフワした髪がふわりと揺れた。
「なんかいつも乗ってる電車なのに景色が違って見える」
そんな事を言いながら、外の景色ををじっと見つめている。
瑠璃は何気なく言ったけど、その意味は"僕が隣にいるから"って自惚れちゃってもいい?