年上カノジョに蜜な罠
その頭が僕の肩にもたれてくる頃には、僕も眠りについてしまっていた。
* * * * *
「ん…っ」
電車の心地いい揺れに目を覚ました。
隣の瑠璃はまだ熟睡中。
四角い窓の向こう側から見える景色はさっきまで見てたものとは違っていて、緑の濃さが増していた。
「喉乾いた…」
バックからペットボトルを取り出して喉を潤す。
「…ん、凜…久…」
んん?
寝言…?
どんな夢を見てるんだろう。しばらく瑠璃の寝顔を見つめる。
長いまつげは頬に影を落としている。
――気が付いたら
瑠璃の唇に、自分の唇を重ねていた。