年上カノジョに蜜な罠
道なりに歩いていくと、森へと続きそうな小さな小道を発見。
「ここ行ってみようよ!」
お昼は持ってきたから大丈夫だよ、と首を傾げながら笑う。
「じゃ、そうする?」
「うんっ」
今まで歩いて来た道路から抜けて、この道を歩くことにした。
一歩入れば静寂に包まれるような涼しい空気が肌を撫でる。
顔を空へ向けると、時折風が葉っぱを揺らしてキラキラと落ちてくる光の粒が瑠璃に降り注ぐ。
隣を歩く彼女が光に照らされて、そこだけ違う光景に見えた。
…こんなにも近くにいるはずのに。
例えるなら暗闇の中でスポットライトが当てられている場所のような。
そんな不思議な雰囲気をまとっていた。