年上カノジョに蜜な罠
* * * * *
帰りの電車の中は、ふたりとも爆睡。
明日から、学校が始まる。
瑠璃と会える日はグッと減るけど、僕まだあきらめないからね。
最終目標は"瑠璃と付き合う"事だから。
とりあえず
僕も"男の子"だって事を意識してもらうことは、完全なクリアとはいかないものの大幅クリアという事で。
「今日はすごく楽しかった。ありがと、凜久」
「ううん、瑠璃が作ってくれたお弁当もおいしかった。ありがとう」
じゃあまたふたりで遠くに行くときはお弁当作るね。
今度はもっとサンドイッチのバリエを増やさなきゃ。
そう言って笑う。
"サンドイッチ"限定、なのか。と若干気になるもののまたいつか瑠璃と出掛けよう。
次にどこか遊びに行くときは"恋人"として行けるように。
――…そんな事を願った。
こうして夏休み最後の日はあっという間に終わった。