年上カノジョに蜜な罠
瑠璃と一緒にキッチンへと向かう。
夏休みの朝はいつもこんな感じで始まる。
「あらー、悪いわねぇ瑠璃ちゃん」
支度をしながらお母さんが口を開く。
「いいえ、凜久を起こすのが私の日課になってますから!!」
…日課になんてしなくていいっての。
そんなに嬉しそうに言わないでよ。
―期待しちゃうからさ。
お母さんが作ってくれた目玉焼きをフォークでつつきながら、自分で入れたカフェオレを口へと運ぶ。
僕の朝の定番。
「あーっ、私も一口っ!!」
すかさず持っていたカップを奪われ、
今度は瑠璃の口へと運ばれてしまった。
「ふぇ…」
一口飲むと、唇を緩ませてカフェオレ風味の吐息を零す。