年上カノジョに蜜な罠
「120円でーす」
購買で"イチゴジャムたっぷり"、"牛乳100%で作ったフワフワな生地"の表記に惹かれ、ジャムパンを買うことにした。
ジャムパンの袋を先を人差し指と親指でつまみながら、廊下を小走りに駆け抜ける。
「あーっ!凜久、それ一口ちょうだいっ」
僕に駆け寄ってくる食いしん坊の瑠璃。
そんな事が当たり前だった日々が今ではすごく遠く感じる。
「次の授業はサボっちゃおうかな」
なんだか気だるい気分になり、ひとりでいたかった。
ヨウにメールをして
『おう、たまには休めよ、優等生』
返ってきた返事に眉を下げて苦笑を漏らしながら、屋上へと向かった。