年上カノジョに蜜な罠
夏も終わりに近付いたせいか、日差しもそんなに強くなくて屋上の手すりに腕をぶら下げ空を見上げると。
さっき買ったばかりのパンの袋をパリッと開けると、一口かじり付いた。
その場所から溢れる甘ったるいイチゴジャム。「甘すぎだよ、コレ」と、眉をしかめて独り言を言ってしまった。
「ふぁぁ…っ」
満たされたお腹は眠気を誘う。
そのまま地面に寝っ転がり、目をつぶって髪の間をすり抜ける風をただひたすら感じた。
薄れ始めた意識の中、屋上の扉が開く音を最後に僕はそのまま眠ってしまった。