年上カノジョに蜜な罠
ためらっていた気持ちとは裏腹に手紙の内容は至ってシンプルなものだった。
「おいっ」
急に後ろから声が聞こえてびっくりして振り返る。
「珍しいじゃん。教室に来ないなんて」
その声の主はヨウでどうやら心配させてしまったらしい。
「ごめん、ごめん」
慌てて手紙をしまうもののもう後の祭り。
「なんだ?コレ」
その後にヨウに問い詰められ、全部吐かされてしまった。
…後ろを気にしてなかったなんて不注意だった…。
「こんなもん、もらうんじゃねぇよ」
相手に変な気を起こされたらたまったもんじゃねぇ。
面倒くさそうに、手紙を返してくる。
僕もそう思ってたんだけどなんか拒めなかったんだ。