hands
「ごめん…駆。今は話せないの…」





私は馬鹿だよね。

叶わないと分かりきっているのに…
どうしても彼のことしか考えられないの。

違うクラスだから…彼はきっと
私のことを想ってくれてない…

逆にもう忘れられているのかもしれない…

諦めればすっきりするのに…



好きだけどさ。

好きだけど……







「あたしの勘、結構当たるんだ♪」


授業が終わり、休み時間。
あゆが私の前の席に座り、小さな声で囁いた。


「えっ?」


「沙希さ……佐川くんのこと、好きなんでしょ?」



佐川……
それは、彼の苗字。


「なんで分かったの?」


「だってずっと佐川くんのこと、目で追ってたんだもん!あたしだって鈍感じゃないからすぐ分かったよ!」



目で追ってた…?

無意識のうちに彼をずっと見てたんだ……
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