季刊『お屋敷ハンター』
自然に飲まれてしまっているような、佇まいが空しい。

どこかで同じ感傷を、と思ったら、あれによく似ていた。『天空の城ラピュタ』。あれのほら、廃墟を見る感じ。


「ミヨさん、この屋敷ってナニ?」


「いかがわしさバツグンでしょ。築たった二十三年にしてこの有様よ。建てたのは薬局チェーンの社長だったけれど、その後持ち主が三人も代わっているのよね。三人目ももちろん売りに出してて。そして現在では訪れるものも無し、となっている。怖い怖い。なぁにがあったのかしらー♪」
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