季刊『お屋敷ハンター』
と鼻歌どころかきちんと歌声を上げながら、ミヨちゃんは見えてきた玄関の扉を目指して直進直進。

感傷なんて無縁なのね、と見送っていると半ばで立ち止まり、おっそろしい勢いでターンをした。

おっそろしいのはボクに向かって。
おぉ。


「汐崎コラ、出番でしょ?! ちゃんと私の前を行く! そこでなんだって止まってんのよ」

「むしろミヨさんこそなにしてんのか訊きたい。他人の家でしょ。これ許可取ってんだろうね」


「あったりまえよ、今さら何言ってんのよ。そんなところで抜からないわよ。許可取っておかなくちゃ雑誌に掲載できないでしょうが。私を誰だと思ってんの」

「誰だと思ったらいいんですか、くらいの間柄ですけど、オレたちは」
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