季刊『お屋敷ハンター』
「どう?」


 一歩屋敷の中に踏み込むと、音がないとそう言うよりも吸い込まれていく感じが強い。

空間は狭いわけではないのに圧迫感があるのは、白い壁に家具がまるでないためだ。
遠近感が測れないために、なんとも非常に落ち着かない。


「どうなのよ」


あぁ。
忘れていた。


「槍も飛ばなきゃ岩も転がってこないスよ。入って来たら? 綺麗な屋敷だよ」

「それは知っているのよ。私は」
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