季刊『お屋敷ハンター』
「つ、連れて戻って担当者に引き渡すのが妥当でしょ。東京まで。良い子に座ってられるよね」

「トウキョ? わかんないケド、ローズは良い子だモン。ねぇねっ」


つつっと肩口に寄って来る。ここまで近いとちょっと迫力。

なにしろ目は、人形のようなビー玉様では決してないのだ。人とおんなじ。


そして脱力。
不自然にして非常識なこの存在に、徐々に自分が慣らされていることが痛い。


「しおざきくんはおなまえはなんていうの? おなまえのほうよ」

「……星吾です」

「しょおごくん」

「はい」
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