季刊『お屋敷ハンター』
っうお? オレか? 

それとも誰かがいるのか? と後ろを振り向いたら負けな気がした。

向かってくる美人に怯むなど、そんなマネができようものか。目標がオレだろうとなかろうとね、問題なんかじゃないわけよ素振りを見せなくては。プライドにかけて、プライドに。


思えば馬鹿げたことを考えたものだと思う。そこが運命の分かれ道だったというのに、だ。

いつもの沈着な思考体制を乱さずいれば、こんな展開は招かれていなかった。こんなにも明らかな危険なら、関わらないのが一番なのだ。

オレはだから、箍が外れていたんだと思う。

人生そのものを投げ出してしまいたく、存在からしてばかばかしくなるよーな状態に。
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