季刊『お屋敷ハンター』
例えば道を聞かれるのだとしても、印象的に教えてやろう。

今や目前に迫った美人様に、オレはまるで初台詞の役者のように無駄に気負い、相手の言葉を待っていた。

前に立った彼女からは、良い芳香がのぼっている。


この真夏、汗を浮かべつつも香水香とはなかなかやるジャン。売れ女優メイクOK、体型もスレンダーにしてバランス良し。足首は特に良いぞ。ちと背は高いが、オレとは絵的に決まるサイズだ。おっと、近くで見てみりゃ目は塗りすぎじゃねーのか? ビジンだからこれで良いのか?


「君、スゴい力持ってる子? このセンターの登録者?」


「はひ?」

「ここから派遣されて働いているんでしょ。何ができるの? 君って何歳? 幽霊とかも祓えちゃう?」
< 8 / 77 >

この作品をシェア

pagetop